ステムベアリングの交換(2)

2004/08/09
走行距離56030Km


ステムベアリング交換第2部です。暑いです。特殊工具無いです。工具を買うお金も無いです。
そんな私のような方は、当サイトを参考にしてみてください。


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だいぶ遠回りしてしまいましたが、いよいよ本題のステムベアリング交換です。

まずは、ロックナットを外す為に、ロックワッシャをマイナスで開いてロックを外します。
 


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ロックナットが取れたら、トップスレッドをピンスパナで回して外します。

このジョー可動式ピンスパナは、ずいぶん昔にZXRのリヤショックのスプリングアジャスタを回す為だけに4000円もはたいて 購入しました。が、その後何年も使わず眠っていました。
ここ最近活躍の場を与えられてなんだか光り輝いて見えます。
あ〜買っといてよかった。


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やっと外れたステアリングステム。
ここからが大変。
 


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 ロアベアリングはリテーナー(ボールがバラバラにならないように囲っている黒い丸い鉄の輪)ごと持ち上げます。


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すると、下にロアインナーレースが見えます。
想像していた通り凄い色です。
やはり、10年も使うと皆こんな色になってしまうのですね。
 


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下から見るとこんな感じ。


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UFOにも見えます。 


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ロアインナーレースを良く見るとベアリングボールによる打痕がくっきりと見えます。
これが、ステアリングが引っかかる原因です。
この傷んだインナーレースを外します。圧入されていますが、うまく抜けるかどうか・・・。


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まずはステアリングステムを逆さにして。
 


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わずかにはみ出たダストシール部にステンレス棒をあて、 ダストシールごとインナーレースをたたき出します。


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ダストシールは叩いていると簡単に曲がってしまいますが、気にせずガンガン叩き続けます。

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 やっと、外れてきました。結構疲れます。
ZXRより固かったです。


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次はアッパーベアリングの取り外しです。
 


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 ダストシールの穴に指を入れて引き上げるとベアリングごとスポッと抜けます。


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上側のアウターレースは、下から叩きだして
簡単に抜けました。
 


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 問題は下側のアウターレースです。


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 上から覗くと、叩き出すために引っかけるところがありません。
サービスマニュアルを見ると特殊工具が必要みたいです。
汎用性のある工具なら購入しても良いのですが、
10年に一度しか使わない特殊工具を買う余裕はありません。


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代わりに使えそうな物が無いか家中を探してみると、ボロボロのギヤプーラーみたいなものが出てきました。
ビビッときました。
 


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パーツを組み替えて左側のような形にしました。
右はアッパーアウターレース。
 


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このように下から差し込んでツメをアウターレースのふちに引っ掛けます。
そしてこの状態で上から鉄パイプなどを差し込んで、ハンマーでガンガンたたき出します。
 


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抜けたー!左側がロアベアリングとシール一式。
右側が新品パーツ。早速組み付けです。
 


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 ロアインナーレースをステムシャフトにハンマーで叩き込もうとしましたが、あまりに硬くてなかなか入りません。
しかも打ち損じればレース部分に傷を付けてしまいます。
ここは是非、圧入工具が欲しいところです。
そこで再び家の倉庫を発掘すると大きなプーラー(左側)が出てきました。
ビビッときました。


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 このように組んでみました。即席のロアインナーレース圧入工具です。
ステムシャフトは中空になっていて、プーラーのセンターボルトが貫通してしまうので、間にスパナをかましています。


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拡大図。
 


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プーラーのボルトをラチェットレンチで締めこんでいくと、
軽々とレースが圧入されていきます。
う〜ん楽チン。
 


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 ロアベアリング組み付け完了です。


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 モリブデングリスをたっぷり塗りこみます。


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 上側のアウターレースを叩き込み、モリブデングリス
を塗ります。


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 ピンスパナでステアリングステムを組み付けます。
組み付け2台目なので、締め込み加減は何となく分かってきました。
最初に止まるまでスパナで締め込み、いったん緩めてまた締めます。
最後の締め込みは、ステムを手で左右に動かしながら軽すぎず、重過ぎないようにします。


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 ロックワッシャのツメをドライバーで立てます。


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うりゃっ。


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ここまでくれば後は楽なものです。
 フォークを抜いたついでにフォークオイルを交換することにしました。
メガネレンチでトッププラグを緩めます。


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 調子に乗って緩めていたら、フォークスプリングの力でトッププラグがどこかに吹っ飛んで行きました。


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中のスプリングを抜き取り、フォークを逆さに立ててオイルを抜きます。
 


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10年間熟成されたオイル。
ZXRよりは綺麗です。変な匂いもしませんでした。

 


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ジャジャ〜ン。ヤマハのフォークオイル(1500円くらい)を買ってきました。ほとんど街乗りしか使わないので固さはG-15位で良いでしょう。
テキトーです。
 


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開けてびっくり。ヤマハのフォークオイルは真っ赤でした。おいしそう。

CBのオイル規定量は片側499ccです。今回買ってきたオイルが1リットルなのでぎりぎりセーフでした。
キリの良いところで500ccにしてしまえばよいのに、なぜ499ccなのでしょうか?きっと難しい計算式とかがあるに違いありません。
恐るべし本田技研。
 


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オーナーのおしゃさんは身長156cmで、足つきが悪いのでフォークを1cmほど突き出しています。
ふざけた定規で左右きっちり測ります。
 


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最後にホイールを組み付ける前に、ホイールベアリングのチェックをしておきます。
指でぐりぐり回してみて、ガタや引っ掛かりが無いか調べます。
どうやらまだ使えそうです。
 

いや〜暑くて大変でした。屋外屋根付きの下で作業してましたが、汗だく汁だくでした。
ステムベアリング交換によって本来のハンドリングを取り戻したCBはとても軽快になりました。特に低速走行が楽になり、車重をあまり感じません。
しかし、街乗りでしか使っていないためかフォークオイルの交換による走行の違いは残念ながら私にはわかりませんでした。
あとはキャリパーブラケットの清掃でフロントブレーキの効きが若干良くなったかな?と感じました。

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